契約にサインをしている男性

マイホームを購入するさいに一番問題になるのは資金計画といえます。自己資金だけで購入するのは例外なので、多くの場合予算をたてて金融機関の住宅ローンを申し込んで利用するというのが一般的です。しかし全てをローンで賄うよりはある程度の金額の頭金を用意すると、返済計画や返済期間に余裕を持たせることが出来るといわれてきました。理想的なのはマイホームの購入費用の2割程度の頭金を用意して、残りの8割をローンでまかない、これに諸費用を現金で確保しておくというもの。ちなみに諸費用とは、引っ越し代や不動産会社への仲介手数料や銀行の事務手数料などです。

例えば3000万円のマイホームを購入する場合、2割の600万円を用意すれば、理想的と考えることになります。しかし貯蓄が少ないとまとまった現金がたまるまで時間を待たなければならず、優良物件が見つかっても購入のタイミングを逸することにもなりかねません。そこで頭金なしでマイホームの購入に踏み切る方も少なくないようです。つまり頭金を前提にした資金計画を立てることなく、マイホームを手に入れることは可能と言うこと。ただしいくつかの条件をクリアしなかれば、将来的に返済計画が破綻して家を手ばなすリスクに直面することになります。

まず前提なのは借入可能額はいくらなのか、と言うことです。そもそも借入可能額が、マイホームの購入価格をすべて充足する金額でなければ購入することは出来ません。頭金0である以上、住宅ローンの借入額は頭金を準備する場合に比較すればかなり増加することになります。また返済期間との関連で問題になるのは年齢です。借入時の年齢は20歳以上にはじまり、どこまでが上限なのかは金融機関により異なります。60歳で定年を迎え65歳で雇用延長が終了するという事例を想定すると、定年後収入は激減するので可能であれば60歳までにはローンの完済を済ませておきたいところです。頭金を用意しないと返済期間が長くなるのは致し方ありませんが、定年などのライフイベントによる収入の変動にも耐えられる返済計画・返済期間なのかは事前に十分検討する必要があります。そして住宅ローンの返済額を左右する金利動向も注意が必要です。固定金利型ローンもありますが、多くの金融機関では変動金利に移行するタイプが用意されています。長期的に金利上昇が見込まれる金利動向であれば、固定金利型のローンの可能性を模索する必要があります。