マイホームに地下室を作ることはできるのか
2020年05月03日マイホームに地下室を作ることを想像したことがあるでしょうか。周囲の視線や喧騒からも隔絶した空間なので自分の趣味の時間などを充実させることが出来ます。他方で暗くジメジメしたイメージが根強いのも事実です。もっとも地下室は地中に位置し、周囲をコンクリートに囲まれている特性をいかすとシアタールームや音楽スタジオにワインセラーなどマイホームに地下室を供えることには、普通の家では味わえない独自の空間を手に出来る特性があります。
このようなメリットが評価されて、彫刻や音楽活動・プラモデル制作などの趣味のために地下室を構える方は確かに増加しています。これの趣味では原材料や素材のストックが必須で、外界からの視線も気にする必要がないので、普段の生活とは隔絶した空間で趣味の時間を心行くまで堪能できるでしょう。ただし、マイホームに地下室を構えることには、幾つかの難点があります。まず工事の費用が嵩むことです。敷地を掘り返すために重機を入れてコンクリートを投入して部屋を形作り、さらに電気や空調設備なども設置する必要があります。これらの作業はいずれも多くの労力と機会が必要なので地下室を建築する工事の費用は高額になるわけです。1坪作るのに費用は50万円ほど必要で、地盤が軟弱な場合は地盤強化のための高額な費用が必要です。
また地下室は湿度が高く、夏場に酷い結露に悩まされることも。夏の高温多湿な空気が入り込むと、外気温よりも低い地下の環境では結露が生じやすいのです。しかもコンクリートは乾燥するまで時間を必要とするので、数年間は湿度放出傾向が続きかび臭くなることも。そのため防湿対策も必須です。そして地下室では1階部分とつなぐのは階段だけなので、避難経路を確保することも必要です。階段だけでは火事や地震発生時に非常に危険なので、独立した避難経路を別途工事して確保することになります。避難経路を確保するには、ドライエリアを設けることがオススメの方法です。ドライエリアは地下室と地面の間に設ける空堀のこと。適切にドライエリアを設置して空気を入れ替える窓も合わせて設ければ防湿と採光をかねることができます。
ところで地下室では特に問題になるのが防水性です。近年頻発するゲリラ降雨などを想定すると、ドライエリアの手すりの高さを十分確保する必要があります。マイホームの地域のハザードマップなどを確認し、リスクがあるようなら十分な防水対策を実施することが必須です。