一軒家を借りてルームシェアするのはアリ?ナシ?
2020年01月06日最近では都市部に進学や就職で賃貸物件に住む若者でも、潤沢は収入を確保するのが難しいことからいわゆるルームシェアをする方が増加しています。現在主流のルームシェアとは、2LDK以上の間取りのマンション一室を複数人で賃料を出し合って共同生活を営むというものです。ただし賃貸マンションなどでは2LDKほどの広さではプライベート空間を確保するのが難しく、狭い居住空間での生活になりがちです。手狭な面積や掣肘されるプライベートなどの問題を克服するために、一軒家でルームシェアしてはどうかということが意識されるようになりました。それでは一軒家をルームシェアするというのは、現実的に可能なのでしょうか。
ルームシェアを前提に一軒家を貸し出しているならともかく、通常の一軒家の賃貸では一人もしくは人家族を前提に家賃を設定し賃貸に出しています。そのため一軒家をルームシェアとして共同利用するのは基本的に厳しいといわざるを得ません。確かに複数の人間が家賃を出し合うのですべての家賃が延滞に陥るリスクは低くなります。問題は一人でも支払いを滞らせると、円滑な家賃の満額支払いが困難になります。したがって審査の段階で共同使用が前提になっていることが明らかになれば、家主の入居時の審査を通過するのは困難です。それでは入居時はルームシェアの意図を秘匿して審査に通過した場合は問題にならないのでしょうか。共同使用を秘匿して賃貸した事実が明らかになれば、さらに厳しい現実が待っています。少なくとも契約書の前提条件は一人かもしくは家族での使用になっているはずなので、勝手に複数人が入居して生活を開始すれば、用法違反の責任をとわれます。その場合には家主から契約解除の通告を受けることになり、退去せざるを得ない情況に追い込まれます。
複数の人間が生活する場合でも家族であれば、家計は一つで家族のそれぞれの振る舞いも予見可能なので家族の入居がただちに問題行動につながるリスクはあまり想定する必要はありません。しかしルームシェアでは複数の人間が共同生活の形をとりますが、他人同士が一軒屋で生活すれば家賃の延滞や入居者同士のトラブルなどが想定されます。つまり家族でもない他人同士が共同生活するシェアは、大家にとってはリスクが高いわけです。高いリスクをとるくらいなら、一人暮らしなどの入居者に入居してもらうほうがメリットが大きいといえます。従って契約書で許容する旨が明白になっていないかぎり一軒家でのルームシェアは厳しいというのが現実です。